悪魔なお前のせぇで、俺は一生恋人が出来ないままだ!



仰向けのお兄ちゃんにうつぶせのラムがかさなる状態。



お互いに見つめ合う状態なのです。



なんて気まずいの。



ラムは謝りかけた口をつぐみ、お兄ちゃんの顔から視線をそらします。



その時、たまたま目に入ったお兄ちゃんの黒いワイシャツの胸ポケットに、ラムは一瞬、固まりました。



そこには、ゆいちゃんにあげたはずの



「映画の……チケット!?」



があったのです。



「どうしたの、これ!?」



ラムはお兄ちゃんの胸ぐらにつかみかかり、床にうちつけました。



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