悪魔なお前のせぇで、俺は一生恋人が出来ないままだ!



な、なんだ。
お兄ちゃん、ゆいちゃんと映画見に行かなかったんだ。



ラムは急に体についていた何かがなくなり、軽くなった気分になりました。



ふぅ、ふぅとため息の連続。



「……見に行かないなんて、やっぱりお兄ちゃんはばかね」



ラムが弱々しく言いました。



そして、



「……ほれ」



お兄ちゃんがラムにチケットを差し出しました。



「……う。え?」



私はきょとんとします。



「俺は馬鹿じゃない。今からラム、お前と見に行くんだからな」



ラムは、一瞬どきっとしました。



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