悪魔なお前のせぇで、俺は一生恋人が出来ないままだ!



声はそう言うと兄をめーと呼び、少し相手をみくだすように笑った。



「ばぁちゃん、久しぶりの電話でそりゃないだろう!?」



兄は怒った。



「それにめーちゃんはやめてくれよ!俺は自分の名前がきらいなんだ。一文字でも名前に入る文字で呼ばれたくないんだよ」



兄は言った。



そのことばに、ばぁちゃんも黙る。



「ねぇ、今度は誰からなの?」



そこへ、話をややこしくする奴が、ついに台所から玄関へとやってきた。



兄は面倒に巻き込まれるのはごめんだとばかりに、無言でラムに電話をかわる。



横目でいやそうに電話をうけとるラム。



「もしもし?」



『その声は、その声はラムちゃんかい?』



「おばあちゃん!?」



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