悪魔なお前のせぇで、俺は一生恋人が出来ないままだ!



白く淡い銀色に塗装されたメルセデスベンツ。



車高は低く横広い車体、紫のスモークの入ったガラス、ホイールは銀の細かな花火。



エンジンはレース用に改良、チューンアップ。
マフラーも4つ、ついている。



これが亡き父親の愛車だ。



ラムは外の車庫にいるその愛車に、お弁当や着替えやそのたもろもろを詰め込むと、兄を待った。



「お兄ちゃん!?お兄ちゃん何やってるの!?早く車出してよ!!」



「うるせぇなぁ!!部屋に鍵取りに行ってたんだよ!!」



兄は不機嫌そうに運転席に乗った。(運転席は左側)



ラムは後部座席に乗る。



兄のとなりに座るのが嫌なのだ。



そして、いかつい白のベンツが、田舎のおばあちゃんの家に向かう。





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