悪魔なお前のせぇで、俺は一生恋人が出来ないままだ!
「学校ってのは遅刻すると広く感じるのに、こういうときは狭く感じるな」
俺は、人間の心理の神秘に少し感動する。
しかし、その感動もつかの間、玄関先にラムの姿が目に入った。
モップとバケツを持ち、こちらに元気よく近づいてくる。
となりには先ほどのゆいちゃんと名乗ってた女の子も一緒だ。
「お兄ちゃぁぁん!」
ラムはモップを持った手をあげ、振っている。
ゆいちゃんも、それにならう。
俺はとりあえずゆいちゃんにだけ手を振り、2人の方へ歩きだした。
「いつもあんなふうにしてれば可愛いのによ、ラムのやつ」
そう思いながら、俺はラムを見た。