悪魔なお前のせぇで、俺は一生恋人が出来ないままだ!



どだだだっと階段をかけおりる音がして、お兄ちゃんが台所に戻ってきます。



「ラム、ちょっと行ってくるわ」



お兄ちゃんが笑顔で言いました。



憎らしい、憎らしいです。憎らしいついでにわざとラムは質問するのです。



「お兄ちゃん、今日はどこ行くの?」



「デートです」



してやったという顔でお兄ちゃんが言ったので、ラムはあたまにきました。



でも、ここは我慢です。



だから、早く行けこのばかお兄ちゃん!



「そういえば今日、お前なんか用事があるんじゃないのか?」



「うるさい!うるさいうるさいうるさぁぁい!早く行っちゃえぇ!!」



ラムははいていたスリッパを、おもいっきりお兄ちゃんにけり飛ばしました。





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