last Wish〜最期の願い〜
嬉しかった


って、ただそれだけなのに


すごく恥ずかしくて


口が思うように動かない。


「う…」


「う〜?」


拓は、私の言葉を待ってる。


私は、大きく深呼吸した。


「嬉しかった、嬉しかったよ…」



大きな木の後ろ。


拓が思いきり私を抱きしめる。


「………愛してる」


耳元で拓が囁く。


駄目だよ、私、耳弱いのに…


「私も…愛してるよ…」


拓は私より背が高いから


耳に息を吹きかける事は出来なかったけど


その分思いきり、抱きしめた。


「あみ………」


大好きな拓の顔が


少しづつ私の顔に近づく。

拓の唇が優しく私の唇に触れる。


拓の体温が、唇から伝わる。



優しく触れていただけの唇が


少しづつ激しく動き出す。


「……ぅ…」


言葉にならない声をあげた。
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