last Wish〜最期の願い〜
「ありがと、あみ…」


拓の、「あみ」って呼ぶ


声が好き。


「ど〜いたしまして♪」


拓の柔らかい髪を


ポンポンと叩くのが好き。


「あみ、今、俺…幸せすぎるかも」


囁くように、拓が言う。


「あみがこんな近くに居るなんて、夢みたい…」


拓はゆっくりと


私を抱きしめた。


「夢じゃないよな?」


私は、拓の頭に触れていた手を


背中に移動した。


「夢じゃないよ。ほっぺつねってあげようか?」


「ウン、思いっきりつねって…」


私は拓のほっぺを


ギューッとつまんだ。


「ぃてててッ」


拓が叫ぶ。


「ね、夢じゃないでしょ?」


「ウン、嬉しい…」


二人で、頭をくっつけて


笑いあった。
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