last Wish〜最期の願い〜
この公園に来たら


必ずキスをする。




…もしかして拓、キスしたいの?


どうしよ…緊張してきた…


手に汗かいてそうだなぁ…


だけどこの手だけは


絶対離したくないよ。


絶対に離さない。





公園が見えてきた。


「あっと少し〜♪」


拓が子供みたいに、


楽しそうに言った。


拓の、その子供っぽいトコ、


可愛くて好き。




「着いたよあみ!」


相変わらず、公園には人が居なかった。


朝だからかもしれないけれど。


「あの木のトコ行こ」


私は、木を指差した。


なぜか私は、あの木を近くで見たくなった。


木に近づいていくにつれて


あのファーストキスが


鮮明に蘇る。


「思い出すよな…」


拓が小声で呟いた。
< 8 / 21 >

この作品をシェア

pagetop