last Wish〜最期の願い〜
「え?」


拓が恥ずかしそうにうつ向く。


「あの日の事、思い出さない?」


私と同じ事考えてた…


すごいよ拓、嬉しい…


拓があの日の事、覚えててくれるだけで


それだけで嬉しい。


「思い出すね…何もかも、あの時のキモチとか」


「嬉しかった?」


拓がニヤリと笑う。


ドSな拓も、大好き。


「ぅ……それは…」


拓がSになると、


自然と私はMになる。


「あっれぇー嬉しくなかったんだー」


拓がいじけたみたいに言う。


だけど顔が笑ってる。


「じゃあもう、キスしなぁーい」


またそうやって、私をいじめる。


「ぃ…嫌だ」


拓のSな笑顔が、更にSっぽくなる。


「じゃあ、嬉しかった?」
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