あたしのご近所さん。
第一章

★始まり

冬の冷たい空気。

街はみんな寒そうに歩いていく。

葉がなく淋しそうな木々。

「はぁ…」


ベランダで洗濯物を干すあたしは白い息を吐いて、手を暖める。

「にゃぁぁ」

「どうしたの、ミケ」


三毛猫のミケはあたしに顔をなすりつけて甘えてくる。

「あ、朝ごはん?あとちょっと待ってて」


と言ってからあたしは洗濯物を干す。


ミケは「えぇ」と言うような顔で部屋に戻った。


「寒いよーぅ」


洗濯物を持つ手はじんじんしてる。


「ふんふんふん♪」


鼻歌まぢりにパンパンと伸ばして竿に干す。


あたしはまだ学生だから乾燥機とか高価なものは買えない。
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