あたしのご近所さん。
少しずつ雨音が小さくなっていく。


今だけなにも考えずに眠りたい。

家に帰ったらきっと美雪ちんのことばかり考えるだろう。

どうしてこんなに好きになったんだろ?


それはきっと


あの時だ────────





「あちゃー…」

俺はスーパーで立ちすくんでいた。

ユリのキャットフードがどれを買えばいいかわからなかったのだ。

まだ飼ってばかりの時だから猫の知識が全くなかった。

「これ、おすすめですよ」


誰かがヒョイと目の前の缶詰めを持ち上げた。
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