あたしのご近所さん。
「ん………悠太?」



目はトロンとなっていて本当に寝ていたようだ。

手はすごく冷たくなっていた。


「なんで…っ」


言いかけたとき美雪ちんの後ろにビニール傘が二本見えた。


「あ、悠太。はい。迎えにきてあげた。……ってごめんね。彼女でもないのにお節介なことして」


美雪ちんは苦笑いして言った。

全然そんなことない。むしろすげえ嬉しい。

でも一本だったら相合い傘できたのになぁ。

ま…いいけど。

俺は折りたたみ傘をそっとカバンに戻した。


「美雪ちん、帰ろ?」
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