あたしのご近所さん。

「雨すごい降ってんね」



あの時みたいに照れたようなはにかんだ顔が

かわいくて
愛しくて

どうしようもなく『好き』って言いたくなった。



美雪ちん大好き。




そんな言葉が喉の奥でつっかえる。



『スキ』



二文字だけなのに。



たったそれだけなのに言えない。

その後が怖くて言えないんだ。勇気が出せない。


臆病なのかもしれない。




ブロロロ………



狭い道なのにワゴン車が通った。美雪ちんは少しこっちに寄る。

またふんわりいい匂いがした。
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