あたしのご近所さん。
★友達以上友達以下
「佐藤!」
あたしは人混みの中をかき分け、声のするほうへと向かった。
「ごめん!遅刻した」
あたしは顔の前に手を合わして謝った。
「いいよ。じゃあ行こ」
和樹くんはいつものように無表情なまま歩き出した。
はぐれないようになのか、あたしの腕を掴んで。
「ちょっ、和樹くん」
和樹くんは少し微笑みながら
「………はぐれるから。それとも手ぇ繋ぐ?」
ってからかうように笑った。
あたしは少し赤くなって首を振った。