あたしのご近所さん。
第二章

★戻れない穴

クリスマスソングが鳴り響く街。寄り添って歩く恋人たち。
幸せな雰囲気の中、あたしは麻耶と歩く。






「……………あのさ…」





麻耶はうつむいて少し言いづらそうに呟いた。




「ん?」


上を向き、小さく返事をした。空は冬だからか低く感じる。


「悠太さんとなんかあった?」


ドキンと大きな音をたてて心臓は動き出す。


悠太……………。


その名前があたしの心の扉をノックする。

最近考えないように勉強を頑張っていたから悠太の名前を聞くのは久しぶりだった。
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