あたしのご近所さん。
言うんだ。
この気持ち、ちゃんと伝えなくちゃ。

「あの時…いろいろあって…言えなかったけど」


瞼をぎゅっとつむる。がんばれ。あとちょっとだ。


「ほんとは…あたしも悠太のこと、好き。大好き」



瞼は閉じたまま開いてくれない。と言うより開きたくない。ぎゅっとつむったままだった。


「本当に?」


悠太は信じられないと言ったような声で聞いた。

あたしは小さく顔を縦に動かす。悠太はもう一度、聞き直した。


「本当に俺でいいの?」


あたしはもう一度、顔を縦に動かした。
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