あたしのご近所さん。




悠太が来るまで。





「美雪ちーん」




門にスーツ姿の悠太。
夕方じゃなかったの?


悠太はかっこいいからすぐに人だかりができる。


「美雪ちーん…うわっ」

「お兄さん、かっこいいね」

「なんて名前ですかー?」

「まぢかっこいい♪」


大学中の女子のほとんどは見とれてたはず。

校内は黄色い声でいっぱいになった。


「悠太ぁぁあ!」

あたしは走って人だかりの中の悠太の前に立った。

「美雪ちん!!なんなのこの学校…」

自分のかっこよさに気づいてらっしゃらないようで…。

女の子を指差して、だるそうに聞いた。

「夕方じゃなかったの?」

「早く終わったから来たんだ」

へへへと笑った。

嬉しいけど…

この女の子たちの視線が痛い。

「早く乗って」

そう言うと車のドアを開けて、あたしを誘導してくれた。

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