あたしのご近所さん。
「それは…本気なのか?」





しがみついている有田は微かに震えていた。

俺は有田の頭にぽんと手を置いた。

俺は震えてる「生徒」がほっておけなかった。


でも次の瞬間






有田は冷たい唇を俺の唇にそっと重ねた。


あまりに急すぎて目が点になる。


「………本気だよ」



有田は唇をはなしてからそう言った。


「………ごめん」


俺は立ち上がり、資料をかき集めて

教室を出ようとした。


「先生………っ、あたし本気だから!ちゃんと考えといてね?」


有田は泣きそうな顔で俺を見ていた。

胸がズキンッと音をたてて痛くなる。

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