日だまりの中で
駅まで拓海は走り 券売機の前で 私を背中から降ろした

財布を出し 切符を買おうとしたが 買うのを止め お金を財布に戻した

私の手を引き 駅の駐輪場まで来ると 鍵のかかっていない自転車を引っ張り出し
私を後ろに座らせると 猛然と自転車をこぎだした

「何処に行くの?」

必死に自転車をこぐ拓海に問いかけた
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