日だまりの中で
「わからない!
でも どっか遠くまで行かなきゃ」

必死に自転車をこぎながら 拓海はそう答えた

振り落とされないように 拓海の腰に回した手に力を入れ
拓海の背中に 顔を近づけ匂いを嗅いだ

「このまま 九州まで行こうか」

私は拓海と一緒に過ごす時間に浮かれ そんなバカな事を言ってた

「行きたいんだったら何処でも 連れて行くよ」
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