日だまりの中で
私に 話しかけてきたのは 児童相談所の所長だった

私は 婦警さんの後ろに隠れ 小さく何度も首を横にふった

所長の後ろから 不意に男の子が 現れたと思ったら その男の子は 何も言わず私の手を強引に引いて 奥の部屋へ入っていった

私は 訳がわからず きょとんとしていると 男の子は振り返り

「名前は?」

と聞いてきたので 小さな声で 紗季と答えた
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