空色パステル




この涙は遼のための涙じゃない……―


あたしは…自分の心がわからないよ…。





拓弥に優しくされればされるほど…

唇を奪われれば奪われるほど…

抱き締められれば抱き締められるほど…


どんどん拓弥に溺れてく…。






もう過去は振り返らないって決めたのに……

どうしても振り返ってしまうのは、あたしが弱いから……?


決められない弱い人間だから……??


優柔不断だから?





静かに考える。

あたしの一番は誰―……?






『それは、あなたの中にあるよ。』


誰かが言う。



『幸せは自分で見つけるもの。
誰かに与えられた幸せは、あなたの本当の幸せじゃないよ。』





幸せ……かぁ。


あたしの幸せはなんだろう?

今のまま過ごすこと……?



それとも、拓弥に戻ること?




なんだろう……?




誰か、あたしの進む道を照らしてよ…。


『あなたの道を照らしてくれるのは
あなたの一番の人だよ』


一番の人…?



「ねえ……一番の人ってどういう意味?」


『一番大切な人よ』






空高く声が聞こえた。





あたしの一番大切な人は……







『この答えは時間をかけて見つけなさい。

焦って見つけても何もいいことなんかないから……』




わかった。

あたし…少しずつ見つけていく。






涙の理由もわかるまで探すよ…





だから……
そこで見守ってて…







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