空色パステル
あなたを見る度、なんどときめいただろう……。
あたしだけに見せる笑顔が
どれだけ大好きだっただろう……。
先輩としての姿、
彼氏としての姿、
元彼としての姿………
どれをとっても、素敵だった。
そんなあなたにあたしは恋をした。
あたしは…幸せ者だよ。
あの頃の約束。
拓弥は覚えてるかな……?
『卒業式に第2ボタン貰う』
約束。
あなたの第2ボタンだから欲しいんだ。
拓弥がこの学校からいなくなっても
美緩が悲しまないように
って言ってあたしを泣かせた。
だから……拓弥を待つ。
拓弥を信じて…。
すると、向こうの方から元男バスの先輩がぞろぞろとやって来た。
一番あたしに近い側の端に拓弥がいる。
「先輩っ!!…第2ボタンください!!…」
言えた……!!
顔から火が出るほど恥ずかしかった。
「あーっ…!!ごめん、
さっきあげちゃった…
袖ボタンでいい??」
拓弥が言う。
嘘……
少し涙が零れそうになった。
でも必死で堪える。
「…手出して??」
拓弥に言われた通り、片手を出す。
「ほい、おまけ★」
拓弥はあたしの掌に袖ボタンと一緒に何かを落とすと、ぎゅうと握らせた。
握った手を開いてみると………
「…第2ボタン…?」
まさかの第2ボタンだった。
拓弥の顔を見上げると、いたずらに笑って
「さっきの嘘。^^ (笑」
と言った。
「ばかあ……」
泣きそうになる。
あたしは第2ボタンと袖ボタンを握りしめたまま、拓弥を見つめた。
「……そんな顔で見んなって…
可愛すぎんだろ…」
拓弥の一言に顔が真っ赤になる。