空色パステル
帰り道、たくさん話した。
成績のこととか、
恋のこと。
部活のことに、
家族のこと…
たくさん話しても全然足りないくらい。
遼は3人兄妹の1番上。
つまり、お兄ちゃん。
弟の瑛斗(えいと)くんと妹の遥香ちゃん。
遥香ちゃんの方は前に1回会ったことがある。
すごく可愛かった。
瑛斗くんも可愛いのかな~?
なんて思いながら1人でニヤニヤしていた。
遼が可愛いから可愛いはずだよね♪
「ねぇ、遼?美緩って呼んで?」
「ん~、俺はやっぱ坂口でいいや♪」
「そっかあ…」
やっぱダメかあ…
って何考えてんだろ…
遼…
早くあたしの気持ちに気付けっ!!
楽しく話していると、あたしの家を通りすぎてずい
ぶん遠くまで来ていた。
「あ、あたし家こっちだから…」
「…あっ、本当…じゃあね☆えと…また手振ってね♪」
「うん!バイバイっ」
違う方向に歩き出しても何回も振り返って
『バイバイ』
って言って手を振る。
遼の後ろ姿が可愛くて…
あたしは遼に恋をした。