空色パステル
家に帰るとまだ誰もいなかった。
携帯を開いて見てみると、
『新着メール受信 拓弥(たくや)』
の文字。
拓弥は中学3年生。
あたしの元彼。
「…今更なんだろ…」
不信感を抱きながら、メールを見る。
『もう一回、付き合えないかな?』
―…ドキン
今更?
あたしはずっと待ってた。
なのに…
今更って…
遅すぎだよ拓弥…
なんであたしの元彼って、こんなにひどい人が多いの?
あたしはただ振り回されるだけ。
拓弥…
あなたは優しかったよ。
いつだって優しかった。
けど…
その優しさが時には辛い時もあって…
さんざん裏切られて…
もう期待させないで?
あたしは遼が好きなんだ。
これだけは断言できる。
震える手で返信をする。
『Re:ごめんね
あたし、好きな人いる。』
―――…送信。
涙が溢れてきた。
裏切られた時の思いが甦る。
はっきり言って…
最近、拓弥を見るのが怖いんだ。
また裏切られるんじゃないか…って。
ごめんね。拓弥…
嫌いじゃないよ。
でも…
もう期待して裏切られたくないんだ。
それだけのこと。
後悔は…
してない。
ただ…
ただ
まだ心のどこかで拓弥を想ってる自分がいて…
あたしはそれをなくすために必死で…
そんな時に、遼が現れて。
支えてもらったんだ。
拓弥、
あたしは嫌いじゃないからね。
嫌いじゃないけど…
過去は振り返らないんだ。
いろんな思いが溢れた。
それは、涙に変わって流れ出た…。