空色パステル
―空の奇跡
――中1 11月――
「ハッピーバースデー!!実緒♪」
今日は実緒の誕生日。
120パーセントの愛をプレゼントしてあげた。
―…11月20日
この日があたしにとって一生忘れられない日になるとはこの時はまだこれっぽっちも思わなかった。
「美緩~!!千春(ちはる)~!!ありがとう~」
実緒が向日葵のような笑顔で喜んでいる。
そんな姿を見て、千春と2人。
顔を見合わせて笑顔になる。
「実緒☆大好きだぞ?」
「実緒も~♪千春さん大好き☆」
「おっと~?千春さんじゃないでしょ?」
「えへへ」
「実緒、まじ可愛い♪大好きだしっ」
「知ってる~!美緩大好き☆」
「またナルシストになってるぞ~?」
「あっ、忘れてた」
実緒は小学校からの仲良しな親友。
千春は中学校に入ってからできた、親友。
どちらもあたしにとってはかけがえのない大切な存在。
「あ、もう時間じゃん。帰んなきゃ…」
「そうだね…千春、バイバイっ」
千春は引っ越しをしてしまって学校を変わらない代わりに地下鉄通学をしている。
新しい家は地下鉄で40分かかるから部活が終わったあと、すぐ帰らないと大変なんだって…。
千春はいつも暗い道を1人で歩いている…
そう思うと実緒と2人、寂しいんだ。
「…千春も行ったことだし、うちらも帰ろっか?」
あたしが言うと、実緒は寂しそうな顔で頷いた。