空色パステル
“6年1組”
と書かれたプレートを見つけ、その教室に入る。
あたしの席は…
廊下側の列の一番前。
『出席番号6番 片岡美緩』
と、机の右端にシールに書かれ貼ってあった。
…片岡美緩
あたしの名前。
あたしは本当のお父さんを知らない。
今、あたしの
“お父さん”
のフリをしている人は…
いつもいつも、あたしを苦しめてきた人。
家に帰ると、いつも不在で…
夜中に帰ってきたり、一日中帰ってこなかったり…。
その度、お母さんはお父さんのご飯を作って待ち続けていた。
やがて、そんな日々を過ごしていたお母さんが倒れた。
そんな時でさえも、お父さんは夜遅くまで帰ってこなかった。
あたしがお父さんに反発して、
「少しはお母さんの気持ちもわかったら?!」
と言うと、お父さんは決まってあたしを殴る。
本当に何もわかっていなかった。
お母さんの辛さがすごくわかった。
そんな日々を過ごしていけばいくほど、家族はバラバラになっていった…