空色パステル
内緒も何も………
心臓の鼓動が早まる。
ドクンドクンドクン……
あまりの衝撃に言葉が出てこない。
楓から聞いた
衝撃の言葉への思いと、
楓への罪悪感が
あたしの胸を埋め尽くす…
これは…言えない。
いや、言っちゃいけない…。
そのうち時が絶てば、
自然と分かってしまう…
だけど、今伝えてしまうのは
あまりにも酷だ。
今、知ってしまうより
時間の流れで知る方が
ずっといいはず…
きっと、今知ってしまったら
楓はかなりのショックを受ける……
楓の立場があたしだったら
絶対に立ち直れない。
時間が解決してくれる…。
今はただ…
そう思っていたかったんだ…。
「美緩ちゃん……?」
楓が不思議そうな表情で
あたしの顔を覗き込む。
「……あ、そうなんだ♪
頑張って…ね★」
嘘つき…
あたしはずるい。
いつも自分だけが
いいようになって
回りのことは考えない。
ずるいよね…
最低最悪。
楓…ごめん
あたしまだ強くなれない…
「ありがと♪」
そんなあたしをよそに
無邪気に笑う楓。
ごめん…ごめん。
あたしは弱虫だね…?
嘘ついてまで
自分の心だけ守りたくて…
裏切ってまで
周りを振り回して…
傷つけてまで
結局自分がいいだけで…
こんなの、不公平だね。
「…ねえ、かえちゃん?
遼のどこが好き?」
美緩……
あんたはずるい。
そこまでしたい?
傷つけたい?
あたしは心がないみたいだね…
楓は頬を赤らめて
少し照れながら言う。
「なんか、可愛いじゃん♪」
って。
その無邪気で明るい笑顔が
あたしの罪悪感を
もっともっと…もっと
広げていく