空色パステル
…―中1 夏
「楓、ごめん
俺、もう楓と一緒にいられない」
俺が告げたのは、
「好き」
の言葉ではなく、
辛く悲しい別れだった。
『―…な…んで??』
電話ごしに聞こえる楓の声。
少し涙で震えているような気がした。
直接会って言えない、臆病な俺。
「ごめんな…楓…
じゃあな…」
プツッ―…
電話を一方的に切る。
ごめん…
俺は楓と一緒にいて
守れるくらい強くない…
RRRR…
電話が鳴り続く。
「遼~?早く出て~」
母さんが言う。
だけど、出ない。
出たくない。
しばらくして鳴りやんだ電話。
安心した。
楓…ごめんな?
俺………
そんなに強くねえんだ…
だから…
別れたんだ。
楓…楓のこと、
嫌いになったわけじゃない
けど、好きでもないんだ
さよなら…楓。
幸せになれ…
大好きだったキミ……
俺から好きになって
俺から嫌いになる…
それっておかしいよな…
俺って最低だよな…
今の俺にはこうすることしか
できなかったんだ…
肩肘張ることくらいしか
キミと一緒にいれる方法はなかった…
どんなに願っても
キミはキミのままで…
俺みたいなやつの手に
届くほどではなかった…
だから…
俺から別れを告げる。
これで本当にサヨナラだよ…
たくさんの夢のような
毎日をありがとな…
楓には…もっといい人が
見つかるから……
早く幸せになれ…
俺はここから
楓の幸せを願うよ………。