空色パステル


「そして、今★」

桜が言う。




なんとなく理解したあたし。


「美緩…大丈夫??」


「…ん?大丈夫♪」








遼は彼氏。


だから遼の全てを受け止めたい。





でも…なんだろう??
このモヤモヤ感は…。


あたしだって
たくさんの恋をした。



ひどい別れ方だってした。


幸せな日々だってあった。



だけど、それらの恋に
こんなモヤモヤ感はなかった。


なんでだろう??





これって…やきもち?

楓が羨ましくなった。



遼に一番に愛された。
一番に幸せになった。



いいなあ………。




「桜……あたし羨ましい」


桜が驚いた顔をする。





「いいことだ♪」


と言って笑った。

「ちょっと何それ~!!」



2人でキャハキャハ笑う。
廊下を駆け回る。




そんなとき…
楓は知ってしまっていた。



あたしと遼のことを。




楓……
あたしはひどいです。


楓の気持ちを知ってて
自分だけ大切にしたい一心で
嘘ついた。






あたしは本当に
臆病で…弱虫で…

どうしようもない



謝っても時間を
戻すことはできないよね…


楓に遼を返せって言われても
あたしは返せないと思う…









わがままだよね、あたし。

どうしようもないくらいのわがまま。





そして楓を傷つけた。

もう許してもらえることはなくても
楓の友達で居続けたいな……





あの頃のあたしは
優柔不断だった。


だから周りにも
たくさん迷惑かけてきた。




でも…今なら言える。

きちんと面と向かって。




遼が大好きだから…
楓とも仲良しでいたい。


こんなわがまま
通じるわけないけど…



信じてほしいんだ…





あたしは楓も遼も
どっちも大切だってこと…





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