空色パステル
ベッドの側に転がるバスケットボールを拾い
ぎゅう、と抱き締める。
そして、掌でコロコロ転がす。
掌の上で転がるバスケットボールを見て、笑顔になる。
「…へへ^^笑」
そういえば…
バスケがこの世になかったら
あたしは今頃、遼と出逢ってはいなかった。
あたしが小6の時、引っ越してこなかったら…
バスケを好きにならなかったら…
なんて思うと、『運命』を信じてしまう。
簡単に『運命』信じる、なんて
言ってはいけないってわかってる。
けど、あたしと遼の出逢いや
友達との出逢い、
今の生活……
全ては『運命』がないと、
絶対にこうなってはいなかったはず。
だから…
出逢い一つ一つを大切にしたい。
『運命』にありがとう…
ふと、携帯が鳴り出した。
♪~♪
この着信音は拓弥だ。
確信してサブディスプレイを見る。
『着信 拓弥』
の表示。
出るか出まいか、ためらう。
虚しく鳴り続ける携帯。
本当は出たくなかった。
だけど、とても長いコールのせいもあって
出てしまった。
「…もしもし?」
『―…あ、もしもし?
俺、拓弥だけど…美緩?』
「あ…うん」
言葉に詰まってしまう。
遼のようにすらすら言葉が出てこない。
『―美緩、Merry X'mas』
ふいに言われた言葉によって
あたしは驚いた。
「へ…?あ、Merry X'mas」
『―何、もっと他のこと
言われると思った?笑』
笑い混じりに言う拓弥。
残念ながら図星;;
「そんなんじゃないよ^^」
笑ってごまかす。笑
『―美緩は変わんないな^^
それはそれでいいんだけど★』
少しだけ、あの頃に戻った気がした。