空色パステル


気が付けば、冬休みも終わり登校日。


何の準備もしていない。

というか、朝目覚めて気付いた。




「お母さんのバカあっ!!
なんで起こしてくんないの?!」



朝から響くあたしの声。
近所迷惑もいいとこだ。笑




「あんたが起きないのが
悪いんでしょーが!!」


親子ゲンカ勃発。

文句を言いながらもご飯を食べる。





遂には、お母さんのお説教も
全て右から左に受け流す始末。




時計を見ると、針は
7:50を指していた。



ダッシュで部屋に戻って制服に着替えて
鞄に持ち物を詰め込んで
家を出た。





新学期早々、暴れるとは……笑




「おっはよー!!」

元気よく挨拶。




莢耶が後ろからあたしの頭を
ポンッと叩いた。


「みひろぉー^^
髪の毛ボサボサよぉー??」


ハイテンションな莢耶。

あたしの髪の毛を
くしゃくしゃってする。



「水飲み場行こっ♪」


「うん^^」





水飲み場に行く時、4組を覗く。

まだ遼はいない。



―寂しいなあ……








水を飲んでから、教室に戻るときにも
再確認してみた。


だけど…やっぱりいない。



何かあったのかと不安になる。



「みひろぉ??
なんかあった?」


莢耶があたしの顔を覗きこむ。

だけど…あたしは首を横に振って、

「なんでもないよ★」



と言った。




なんでもなくなんかないのに…。

遼がまだ来てないんだよ…

いつもならとっくに来てる時間なのに…




遼はその日、学校に来なかった。

次の日も、そのまた次の日も…




聞いた話によると、

遼のお祖母ちゃんが亡くなったらしい…



前、遊ぶ約束をしてた時に、
お祖母ちゃんのお見舞いに行くから
って遊べなかったことがあった。



それを思い出すとなぜか無性に
涙が溢れてきた。




.





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