幼なじみが恋人


「コイツが寝ぼけて引っ張ったから布団に倒れただけだよ。」


「それだけじゃないでしょぉ。まだ、沙紀の温もりが……」


まだ言うか。コイツ。


言い終わる前に、シュウの口の両端を指で引っ張ってやった。


「だからっ!誤解されるようなことを言うなってば。」


「いひゃいぃ」


シュウは涙目。
詩織がクスクス笑った。


「いつ見ても、仲いいね。」

「仲、良くないし。」


シュウの口から指を放した。


シュウは、口の両端を両手で押さえながら言った。


「仲、いいよ」


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