♥兄恋♥

永遠

季節は変わり、優しい木漏れ日の降り注ぐ秋になった。


11月になった

この日は珍しくお母さんも休みだった


「母さん話があるんだけどいいかな?」

「どうしたの改まっちゃって?」

遼は修学旅行のあの日、プレゼントは婚姻届けに記入して欲しいと言った。

あたしはその日のうちに記入をして遼に渡した。




その紙をお母さんの前に出した。



「結婚するの?」

「あぁ。考えてる。」


「戸籍上は問題ないけど息子と娘が結婚するのは…」

「俺達本気なんだ。」

「いつからなの?」

「好きだったのはずっと前から。母さん達結婚する前から。」

「そう…」


その場の空気が悪くなる。

あたしがお母さんの立場だったら…あたしはあかちゃんを産んだ事もなければ、育てた事もない。

おなかを痛めて、産んだ子を家族と結婚させる…


お母さんは悲しそうな顔で婚姻届けを見ていた。
< 115 / 122 >

この作品をシェア

pagetop