♥兄恋♥
「遼?おはよう。」

あたしは初めて男の人と寝た。
ヤってないけど。

遼はなにもしなかった。

たまにあたしの名前をささやくだけ。

遼の部屋を出て、リビングへ行くと翔樹くんは朝からアニメに食いついていた。

「おはよう、乃愛ちゃん」

「おはよう、翔樹くん」

「あのねー。サンタさん来なかった。」

「何で?」

「僕悪い子だったのかな?」

「そんなことないよ。きっとサンタさんも忙しいんだよ。」

遼起きなかったんだ・・・

「乃愛ちゃん!僕からのプレゼント!」

昨日行ったおもちゃ屋さんの袋。中身は大きなリボンが付いた、ヘアゴムだった。

「翔樹くんありがと」

少し照れたように、『兄ちゃんにも渡しに行かなきゃ』って走っていった。

翔樹くんが戻ってくると、少し遅れて遼が起きてきた。

「おはよう。乃愛。」

「おはよう。」

「乃愛ちゃん昨日、兄ちゃんの所に行った?乃愛ちゃんのにおいがする・・・」

「遼があたしの香水こぼしたの。」

「そうなんだ。乃愛ちゃんの匂い好きなんだぁ。」

といって、翔樹くんは遼に抱きついた。


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