♥兄恋♥


遼も聞きあきて、優がため息をつくと逃げるように離れていく。



それが分からないことでもないけど。



そうした時間を過ごすうちに、自然に優と千恵は付き合い始めた。

あたしは、遼は千恵が好きだと思っていた。

でも、遼は笑っていた。

「おめでとさんwっていうか、千恵も優も何人目だよ?」って。



放課後、遼を呼び出した。

「遼。大丈夫なの?」
「なにが?」
「千恵と優のこと。」


「あぁ・・・松井と優ねぇ・・・」

遼はこのときはじめて、千恵のことを『松井』と呼び始めた。

「うん。」


「お似合いなんじゃないの?」

また・・・

笑ってる。


「悲しいの?」

「・・・。」


「悲しいんでしょ?」

「・・・。」

< 5 / 122 >

この作品をシェア

pagetop