♥兄恋♥
遼も聞きあきて、優がため息をつくと逃げるように離れていく。
それが分からないことでもないけど。
そうした時間を過ごすうちに、自然に優と千恵は付き合い始めた。
あたしは、遼は千恵が好きだと思っていた。
でも、遼は笑っていた。
「おめでとさんwっていうか、千恵も優も何人目だよ?」って。
放課後、遼を呼び出した。
「遼。大丈夫なの?」
「なにが?」
「千恵と優のこと。」
「あぁ・・・松井と優ねぇ・・・」
遼はこのときはじめて、千恵のことを『松井』と呼び始めた。
「うん。」
「お似合いなんじゃないの?」
また・・・
笑ってる。
「悲しいの?」
「・・・。」
「悲しいんでしょ?」
「・・・。」