♥兄恋♥
「まぁ、俺の席山城の前だから。」

「あ、うん」


よく分からない感じだった。
遼とほとんど一緒に居たからかもしれないけど、あたしってあんまり男の子と話したことなかったんだ・・・


それからはあまりにも自然な流れで、去年のあたしの隣に居た遼のようにあたしの隣には聖司が居た。


「なぁ体育祭どうする?」

うちの学校は春から体育祭がある。
特に参加しなくてよかったし、だからだいたいの人が初参加。

三年は高校最後の体育祭で強制参加。

学級委員が黒板に次々と競技名を書き込んでいく。

「面倒。」

「だよなぁ。」

独り言のつもりだった・・・聖司が振り返って、話しかける。

あたしとこのクラスはあんまり相性がよくない。

そんな中で聖司があたしを笑顔にしてくれる。


「山城、俺と二人三脚出ない?」


だいたいこのクラス自体、男子と女子の仲がよくない。

カップルはいないし、次々と競技の出場者が決定していく・・・

別に、聖司のことも嫌いじゃない。
逆に知らない人となるより、ましだった。

「うん。いいよ。」

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