愛しの王子様♪




「そんな事無いよ!朝綾子の髪括るの日課になってるし楽しいもの!」



そう言うと綾子は、花が咲いたように微笑んだ。



「ありがとう!京~!」



そう言って私に抱きつくと智君を睨みつけた。



「ほ~らね!京は、あんたと違って優しいのよ!」



「チッ!この脳天気が!」


「何ですって~!」



綾子は、そう言って智君のネクタイを掴んだ。



またやってる………本当に仲が良いのね………
羨ましいなぁ~!幼なじみってやつなのかしら…………。



私は、二人に気づかれないように小さく溜め息をついた。



でも、何時までもこうしてる訳にもいかないし。



私は、そっと二人に近寄ると二人を引き剥がした。



「二人ともこんな所で喧嘩してる場合じゃあありません!遅刻しますよ!」



私の声に二人は慌てて時計を見た。



「ヤバい!走らないと電車来ちゃうじゃあない!絶対智也のせいよ~!」



「今は、そんな事言ってる場合じゃあ無いだろ!走るぞ!」



そう言って二人は、鞄を抱え直す。



走るんだ~
二人は、運動神経良いものね~。



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