愛しの王子様♪
私に気付いた綾子がニッコリと微笑んでくれた。
「おはよう!京!今日も髪が綺麗ね。」
私の腰まで伸びた髪を綾子が触った。
「ありがとう!綾子の髪、今日は、どんな風に括る?」
私は、首を少し傾けながら綾子に聞いた。
「綾の髪は、京みたいに長く無いんだから適当で良いんだよ。」
少し不機嫌な智君が私達の方に近付いて来た。
「あっ!智君!おはよう。」
「……はよ。」
智君は、いつもの冷静な態度だった。
智君!今日も格好いいなぁ~!
私は、ジッと智君を見つめる。
「ちょっと智也!あんた失礼よ!私だって髪綺麗にしてるんだから!」
綾子は、頬を膨らませて智君を睨んだ。
「だからって毎日毎日、京に括って貰うな………京だって大変だろ………?」
智君は、大きな溜め息をつくと呆れたように綾子を見た。
「京………本当?毎日毎日面倒くさい?」
綾子は、少し心配そうに私を見た。
それを言っても何だか今更な気もするんだけど…………。
私は、綾子に向かってニッコリと微笑んだ。
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