あたしの初彼☆王子様はお姫様??
なんだか少し困ったような顔で葉瑠夏君があたしを見る。



歩くペースを遅めに、二人でゆっくりと商店街を通り過ぎる。



すると、またもう一度、あたしを見た葉瑠夏君。



そして、ボソッとつぶやく。



「俺……モデルやってんだ」



「えっ…モデル??……っ…」



「ほらっ、やっぱ、ビックリするじゃん…。俺、家族以外、誰にも言ってないんだけどね。言うのは桃歌が初めてだな。他の奴に言うとさ、なんか、何かと面倒だからさっ」



葉瑠夏君が、



モデル……?



容姿からもそれは納得出来るけど、



浮かぶのは一つの疑問。



「雑誌のモデル…?」




あたしはまたありえないことを考えていた。



だって…心の中のモヤモヤが晴れないままだったから。



「そっ…。雑誌だよ」



やっぱり?それとも偶然?



「その…雑誌って…」



「桃歌の想像通りだと思うよ……俺にハッキリ聞いてごらんよ?桃歌にはもう隠すのイヤだし……」



あたしの想像通り……?



そんなこと、あるはずない……。



「……愛原…ルカ……なのっ……??葉瑠夏君…」



あたしの馬鹿みたいな台詞を笑い飛ばしてくれるよね??



あの、いつもの笑顔で、



あたしの頭を優しく撫でてくれるよね?
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