あたしの初彼☆王子様はお姫様??
あたしは歩きながら、ゆっくりと葉瑠夏君を見上げた。



商店街をぬけると、周りは静かな住宅街に入る。
日が落ちた空の下。


人通りもまばらで、街灯も少なく、葉瑠夏君の表情がよく見えない。




「桃歌は、愛原ルカが…俺??って……本気でそう思うの??」



「えっ…えっと…ゴメっ…違うよね。違うに決まってるよね…冗談、冗談!!」



慌てる必要なんかないのに、



葉瑠夏君の問い掛けに、必死に言葉を繋げるあたし。



葉瑠夏君のあたしを見る視線は、



何故か今まで見たこともないような、



悲しげな目で、寂しい色をしていたから。



初めて見るような……そんな目から、



あたしは視線をそらすことしか出来なかった。
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