あたしの初彼☆王子様はお姫様??
「さぁ、どうぞ!!」



向陽君がドアを開けてくれて、中に入る。



「オジャマしま…す」



家の中に入ったと同時に、静かな室内の階段の方から足音が聞こえた。



「やっと帰って来たじゃん。向陽、遅ぇ~よ」



そして、それと同時に少し不機嫌そうな声がした。



あたしはそっと階段から降りてきた声の方に視線を向けた。



「うっせ~な…おかえりくらい言えねぇのかよ!桃歌ちゃん連れて来てやったのに…」



向陽君もその声に負けないくらい不機嫌な声で答える。



「はいはい。おかえり!」



え……………。



その声の主と目が合ったあたし。



「この子が桃歌ちゃん??はじめまして~!!向陽の弟の葉瑠夏です。来てくれたんだぁ~♪」



どうしよう……………。



「こいつが葉瑠夏だよ。……ってか、桃歌ちゃん??どうした??」



あたし………どうしちゃったんだろう???



「桃歌ちゃん???」



「…………」



あたしの視線は葉瑠香君に釘付けになってしまった。


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