あたしの初彼☆王子様はお姫様??
「送るよ……」



向陽君はそう言って、あたしにカバンを渡してくれた。



「いいよ。帰れるから…」



「え~~!寂しいなぁ~。桃歌ちゃん、ホントに帰っちゃうの??せっかくさぁ~これから話が面白くなってくところだったのに……。つまんねぇ~の。向陽もそんな怒るなって」



「葉瑠夏、いい加減にしろよ!!」



「お~~怖っ!憧れの桃歌ちゃんにやっと近づけたのにもう帰っちゃうなんて、残念だな、向陽!」



顔色ひとつ変えず、向陽君を見る葉瑠夏君。



「お前、もうそれ以上言うなっ!!桃歌ちゃん、行こう!」



向陽君は葉瑠夏君を睨み付け、あたしの腕を引っ張って部屋を出た。





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