あたしの初彼☆王子様はお姫様??
あたしにはなんだか意味がよく分からず、



先を歩く向陽君を追いかけるような感じで家を出た。



「マジ…最悪だろ…あいつ…っ…ゴメンね」



あたしの方に振り向いた向陽君がか弱く笑う。



行きはあんなに話がつきなかったのに、



結局駅まで何も喋らなかった向陽君。



「桃歌ちゃんの気が向いてたら、また会ってほしいんだけど……無理かな??」



改札口で立ち止まった向陽君が言う。



葉瑠夏君は結局何が言いたかったのか、



あたしにはよく分からなかったけれど、



なんとなく向陽君には何も聞けなかった。



そして手を振りながら、向陽君の言葉に小さくそっと頷いたあたし。


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