あたしの初彼☆王子様はお姫様??
「もしもし…」



その日の夜。



「桃歌ちゃん?俺、……手塚…向陽だけど…」



向陽君から電話があった。



「あ、うん…」



久しぶりに聞く向陽君の声。



「なんか…メールより声聞きたくて電話しちゃった……迷惑だったかな?」



少し遠慮がちにあたしに気遣う向陽君。



「そんなことないよっ…」



「あのさ……前に俺が言ったこと、桃歌ちゃん、覚えてるかな?」



前に向陽君が言ったこと?



「…ん??何だっけ?」



あたしがそう言うと、ちょっと間をおいて、



「俺さ、桃歌ちゃんを前から知ってたって言ったじゃん?」



「あぁ、そうだったよね」



「それ、すげぇ昔の話でさぁ……桃歌ちゃんは記憶にないと思うんだけど……」



「昔…?」



「そう。小学校入る前だから、幼稚園の時!」



「えっ??そんな前??」
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