あたしの初彼☆王子様はお姫様??
首を振ったあたしを見て、みるみる悲しそうな表情になる向陽君。



「そっかぁ……じゃあ、僕…行かなくちゃっ……もう会えなくなるかもしれないけど、僕のこと、忘れないでね?………じゃあっ……」



そう言って、駆け足で帰って行った。



「あっ、待ってっ……向陽君っ」



あたしは少し慌てて、呼び止めようとしたけれど、



向陽君は振り向くことはなかった。



行っちゃった………。



小さくなる向陽君の後ろ姿を見ながら、なんだか切なくなったのを覚えてる。



でも、そうなんだ。



この記憶には続きがあったっけ………。



その後、1時間もしないうちに、また玄関のチャイムが鳴ったんだ。
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