あたしの初彼☆王子様はお姫様??
ピンポーン。



「桃歌ちゃんいますか??」



そこにいたのは、ちょっと伏し目がちな向陽君と、



その後ろには向陽君によく似た子が立っていた。



「なぁに??向陽君」



あたしがそう聞くと、恥ずかしそうでいて泣きそうな顔の向陽君。



「えっと……さっきはちゃんとさよなら出来なくて……それでね…えっとっ……その…あのねっ……」



モジモジしながら、向陽君はなかなか話をきり出せないでいる様子。



「だから、なぁに??」



そんな向陽君を見て、後ろにいた子がそっとポンっと向陽君の背中をつつく。



すると、向陽君は大きくひとつ深呼吸して、



「ずっとね、ずっと…僕は桃歌ちゃんが好きだから…。大好きだからね…今日でバイバイだけど、僕の大好きな桃歌ちゃんの笑った顔、僕、絶対忘れないからっ……」



と、言って、ニコっと笑った。
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