あたしの初彼☆王子様はお姫様??
「あ、来た来たぁ!!一樹~!!こっち、こっち~♪」



香理奈が嬉しそうに高く手を挙げた。



あたしは立ったままの状態で香理奈が呼んだ相手に視線を向ける。



………っていうか、



こんなタイミングって、ありなわけ??



これじゃあ、まるで待ってました♪ってハリキッて立っているみたいなあたし。



マジで最悪なんですけど………。



「よっ!!香理奈~~♪」



いかにも遊んでそうなチャラ男君が香理奈に近づく。



この男が香理奈の彼氏の高元一樹??



「んもぅ~~。一樹ったらぁ~~遅いじゃん!待ちきれなくて、桃が帰っちゃいそうだったんだからぁ~~」



可愛く膨れっ面をした香理奈の頬を、チャラ男の一樹が軽く何度もつつく。



「一樹のバ~~カ♪」



そう言いながらも、上目使いで一樹を見つめる赤い顔の香理奈。



「ヤベっ…香理奈、今日もめっちゃ可愛いなぁ~」



「一樹ったらぁ~大きな声で言わないでよぉ。桃もいるんだしぃ~」



なんか…完全に二人の世界ってか……?



あたしが半分呆れ顔で、そんな二人を見ていたら、



「そうだ。こいつを紹介するんだよな」



一樹は思い出したようにそう言って、振り返り、自分の後ろにいた男を呼んだ。




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