あたしの初彼☆王子様はお姫様??
「これでホントにバイバイだね…元気でね、桃歌ちゃん…」



そっと寂しそうに手を離す向陽君。



「うん…向陽君もね」



向陽君は小さく頷くと、手を振ってあたしに背を向けた。



向陽君の後を小走りで追う子……。



そう、あの子が葉瑠夏君だったってことだよね。



…………。



でもおかしいな。



あたしの記憶が曖昧だからかな……。



向陽君の後ろで、向陽君を見守るように見つめていたあの子。



帰り際、何度となく振り返り、



あたしを見ていたあの子。



確か………。



女の子だった気がするのは、あたしの記憶違い……だよね?
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